日本での暮らしで、アイデンティティに迷う帰国子女たち 〜海外にいるあいだに同年代の仲間をつくる〜

前回、海外で過ごした子どもが、帰国後に日本の文化に戸惑う“逆カルチャーショック”を紹介しました。帰国子女たちが抱えうる悩みは実は様々です。母国で暮らしながら、「自分はなにものなのか?」と不安に駆られてしまうことも、決して珍しいとはいえないのです。

海外での経験を秘密にしちゃう。そんなのもったいない!

幼少期を海外で過ごし、広い世界を体感する経験はとても貴重なものです。けれど、日本に戻った後、そんな経歴を隠してしまう人もいます。なぜでしょう?

例えば、中学校や高校で、周りの輪になかなか入れない。コミュニケーションの取り方、友人との距離感。外国では当たり前のフレンドリーなやり取りが受け入れられず、同級生との間に違和感が生まれてしまったり、そのことに自分自身も戸惑ったり。ひとつ上、ふたつ上の先輩に対して、初対面から親しげにしすぎて反感をかってしまったというケースもあったといいます。年上のお兄ちゃんに「ヘイ、ブラザー!」と気軽に声をかけられていたのが、日本ではそうはいかない。ちょっとしたズレの積み重ねが、お互いの溝を広げ、本人の自信をぐらつかせてしまいます。

こうした事態がエスカレートし、自分自身のアイデンティティーを失ってしまう人がいます。日本人なのに日本になじめない自分はなにものなんだろう…。実は、帰国子女の中には、海外にいた時にも「外から来た人」という目で見られていたと話す人もいます。

「海外にいても、日本にいても、どこか自分の居場所がはっきりとしない。それならいっそ、帰国子女であることをオープンにせず、日本の文化に自分を合わせて暮らしていこう」

せっかくの経験を気兼ねなく生かせないなんてすごく残念ですよね。なにより、アイデンティティーの喪失は、自分自身の否定にもなってしまう。マナまなBeeでは、そんな悲しいことが起きないためのサポートもしたいと考えています。

オンライン授業で帰国子女の仲間づくりを

同年代の日本人とやり取りする経験は、帰国後に学校のコミュニティに馴染む上でも役立ちます。とはいえ、海外にいるとそれは簡単ではありません。自分の家族の他に、日本人と接する機会はほぼないのが普通でしょう。ですから、マナまなBeeの指導は、子どもと先生の一対一ではなく、子ども同士がコミュニケーションできるスタイルで行います。

同じ年頃の人とつながり、一緒に日本の文化を学びながら、日本語での日常的な会話に慣れておく。そしてもし、将来困ったり迷ったりした時の相談相手ができる。ひとりぼっちで不安を抱えなくてもいいように、仲間ができる場所を提供させてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です